オフィスでの恋とは
オフィスでの恋
お昼。
デスクにある書類を片付けてお弁当を広げた。周りはみんな外へ食べに出ていて、残ってるのはわたしと新人の男の子だけ。
「先輩いつもお弁当ですね」
「うん、今日はコンビニなの?」
「たまには先輩とお昼一緒に食べたいなって思ったんで」
そうやって笑う顔に何人も恋に落ちてる女子社員がいることを彼は気づいているのだろうか。
何てことのない話をしていて、ふと会話が途切れた。何か話さなくちゃ、と口を開く。
「最近見たい映画ある?」
「そうですねぇ〜…」
映画館で映画を見ることがあまりないわたしは話のチョイスを間違えたと思った。けれど思いの外、話は盛り上がったので結果オーライ。
「あ、そうだ!このお菓子美味しいんだよ!食べる?」
と鞄に入った最近お気に入りのお菓子を取り出そうとすると、彼は困ったように笑った。
「…甘いの嫌いだった?」
「いえ。映画の話をしたので、てっきり誘ってくれるのかと思ったんですけどね」
「え、あ…えーっと」
「どんなお菓子ですか?」
「へ?ああ、ちょっと待ってね」
鞄に入ったお菓子を探しながら彼が言った言葉を思い出す。
それってそれって…そういうこと??
お菓子を渡すとさっきまでの雰囲気はもうなくて。
「これ俺好きかも。美味しいですね」
「ね!美味しいよね」
もし、わたしが彼を映画に誘ってたら…この後彼はどんな言葉をわたしに返してくれたのだろう。
彼に心を奪われた女子社員がまた一人増えたことを彼はまだ知らない。
◇◇◇
的な少女漫画ください。
ベタなキュンじゃなくて現実にありそうな微妙なラインのキュンをください。
とりあえず妄想だけじゃないよって
<p>今週のお題「ふつうに良かった映画」</p>
このブログ利用して2日目。
妄想ばっかり投下してもアカンと思うので、お題使ってみました。つってもたぶん後半は妄想ですがね。
今日金曜ロードショーでやった『風立ちぬ』ふつうに良かったです。
時代背景とかよくわかりません。作った飛行機が戦争の道具にされてとかそんな深いとこまでわたしは考えません。
じゃあ何が良かったんだよってゆうと主人公の二郎さんが物凄くタイプだったんです。
普段バカみたいにイケメンイケメンほざいてますけど、本当は二郎さんみたいな男が大好きです。
真面目で仕事熱心でいつも飛行機のこと考えてる。つまんないけど、女性と子供には優しい。
そしてとても知識がある人。
しかも婚約者の美菜子さんとのやり取りもどストライクでした。
「綺麗だよ、好きだ」
って庭から駆け寄ってキスするシーン。
たまんねぇよ。
真面目でつまんない男が言うとこんなにも萌えるんですね!!!!って宮崎監督に教わったような気がします。ありがとうございます。
わたし今日から好きなタイプは二郎さんて言うことにしました。
レンタル彼氏
私は緊張しながら一歩一歩、待ち合わせ場所へと向かった。
こんなにドキドキする待ち合わせは何年ぶりだろう。歩く歩幅はいつもより大きな気がした。
待ち合わせ場所に着き、辺りを見回した。それらしき人は見当たらない。さっきまでのドキドキとは反対に少しホッとしている自分がいた。
「あやのさん、ですか?」
声がする方へ振り向くと、スラッとした身長に長い手足。ほどよい茶髪をゆるくセットしていて少し緊張したような笑顔で私に話しかけてきた。
「はい」と答える私の手を取って「行きましょうか」と大きな瞳を細めて笑った。これから私と彼の疑似恋愛が始まる。
彼と過ごす時間はとても楽しかった。限られた時間の中で私は彼を知り、彼は私を知っていく。
ふと訪れる沈黙も彼の瞳を見つめる時間だと思えば苦ではなかった。
「あやのさん」
名前を呼ばれるだけで、見つめられるだけでこんなにドキドキするなんて。
数時間前の私は知らなかっただろう。
他のお客さんの声が聞こえる。けれど、私たちがこうして見つめ合ってることは他のお客さんには見えない。
さっきまで隣にいたはずなのに。
彼は今私の隣にいてお互いの肩が触れる。恥ずかしくなって距離を開けると彼はすぐにその距離を詰める。
壁と彼に挟まれて身動きが取れなくなり、顔を上げた。
「…なに?」
「あやのさんの瞳、キレイだね」
壁に手をつき、さらに私と彼の距離が縮まる。
そんなことないって言おうとした言葉は彼の唇が邪魔をして言えなかった。
別れの時間が来た。
私たちは恋人ではない。
限られた時間の中だけの偽りの恋。
この時間が終わってしまえば私はまたいつも通りの毎日を過ごす。
「今日はありがとう。とても楽しかった」お礼を言って別れる。
これで楽しかった彼との時間は終わり。
「待って、」
背を向けた私の手を彼は掴む。
振り返った瞬間にふわりと暖かい体温に包まれた。
「また会ってくれますか?」
「それは…ちょっと難しいかもしれない。私、結婚してるし…」
「お金なんかいりませんから、僕があなたに会いたいんです」
これは偽りの恋。そんなの信じられるわけないじゃない。と私は笑って彼に言った。
「不倫がダメなら、友達でいいです。あなたが嫌がるならキスもしません。僕はあやのさんともう会えなくなるのが嫌なんです…」
ギュッと抱きしめる腕に力が入る。
神様、ごめんなさい。
私は知ってはいけない気持ちを知ってしまいました。
生涯、あなただけを愛します、と結婚をしたけれど、私は…。
私はこの腕を振りほどく事ができそうにありません。
細くけれどしなやかに筋肉のある彼の腕の中で、私は微笑みながらその身体に腕を回すのでした。
◇◇◇◇
ってゆう妄想しながら今日も生きてる。