オフィスでの恋とは
オフィスでの恋
お昼。
デスクにある書類を片付けてお弁当を広げた。周りはみんな外へ食べに出ていて、残ってるのはわたしと新人の男の子だけ。
「先輩いつもお弁当ですね」
「うん、今日はコンビニなの?」
「たまには先輩とお昼一緒に食べたいなって思ったんで」
そうやって笑う顔に何人も恋に落ちてる女子社員がいることを彼は気づいているのだろうか。
何てことのない話をしていて、ふと会話が途切れた。何か話さなくちゃ、と口を開く。
「最近見たい映画ある?」
「そうですねぇ〜…」
映画館で映画を見ることがあまりないわたしは話のチョイスを間違えたと思った。けれど思いの外、話は盛り上がったので結果オーライ。
「あ、そうだ!このお菓子美味しいんだよ!食べる?」
と鞄に入った最近お気に入りのお菓子を取り出そうとすると、彼は困ったように笑った。
「…甘いの嫌いだった?」
「いえ。映画の話をしたので、てっきり誘ってくれるのかと思ったんですけどね」
「え、あ…えーっと」
「どんなお菓子ですか?」
「へ?ああ、ちょっと待ってね」
鞄に入ったお菓子を探しながら彼が言った言葉を思い出す。
それってそれって…そういうこと??
お菓子を渡すとさっきまでの雰囲気はもうなくて。
「これ俺好きかも。美味しいですね」
「ね!美味しいよね」
もし、わたしが彼を映画に誘ってたら…この後彼はどんな言葉をわたしに返してくれたのだろう。
彼に心を奪われた女子社員がまた一人増えたことを彼はまだ知らない。
◇◇◇
的な少女漫画ください。
ベタなキュンじゃなくて現実にありそうな微妙なラインのキュンをください。